アニメ化にドラマ化、映画化と一昔前までの”ひっそり楽しむ趣味”的立ち位置だったものが嘘のような昨今のBLブーム。
歴戦の腐女子たちにはあたり前であろうあんな言葉やこんな言葉も、新しいBLファンには馴染みのないものだらけ!?
せっかくBL沼に落ちてきてくれたのなら、更に深く沈めこむ…
いえ、楽しむために、BLに関連する用語の理解を深めていただきたい!
そんな思いで、BL(ボーイズラブ)初心者の方でも楽しみながら覚えることができる、BL関連用語をまとめてみました!
あ行
α(アルファ)
オメガバースという設定の世界において、優等種とされる性別で人口における%が低く希少であるという設定が多い。他にβ(一般的な人間)、Ω(繁殖特化型)がある。αがΩ性のうなじに噛みつくことで「番」という関係が成立する。立場上「攻め」のポジションにつくことが多いが、α受け、というジャンルもある。
アルファとして生まれた高校生の江森理玖は、社交界デビューのため、首藤家のパーティーに出席した。首藤家といえばアルファの頂点に君臨するほどの名家だ。
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そして、首藤家の主・首藤圭騎といえば、
オメガに限らずアルファでさえも支配するほどの魅力を持っている。
理玖も初めて間近で見た圭騎に憧れを抱かずにいられなかった。けれどその夜、アルファのはずの理玖の体は火照り、甘い匂いを漂わせ…!?
プライドをかけたα×α(Ω)の、運命の恋!
イってる最中だから
これを受けが言うと、大抵の攻めは止まるどころか腰や手の動きが加速するというマジックワード。
受け
カップルのセックスポジションにおいて挿入される側のこと。
A×Bのように掛け算を用いてそのカップルを表現する場合は、式の右側、この場合だとBに当たるのが受け。総じて、受けのことを「右」と呼ぶことも。別名で「ネコ」という呼び方もある。
運命の番(つがい)
オメガバースの世界において、αとΩの唯一無二の番関係のこと。
恋愛感情の有無に関係なく惹かれ合うため、物語によっては悲恋の原因にもなる。
Ω(オメガ)
オメガバースという設定の世界において、男性でも妊娠が可能な性質を持つ人のこと。
発情期とよばれる期間に入ると強い誘惑フェロモンを発するほか、繁殖のことしか考えられなくなるなど日常生活に支障をきたす。そのため、「抑制剤」を服用をする場面が描かれることが多い。発情期間中にαにうなじを噛まれると、「番」という関係が成立する。うなじを守るためカラー(チョーカー)をつけることがある。
オメガバース
男女の性にα、β、Ωという3つの性が付与された、合計6種の性別がある創作設定のこと。
優等種のα、一般的なβ、繁殖特化で男性でも妊娠が可能なΩという性質をおさえれば、細部設定の自由度は高い。そのため、読者の混乱をさけるべく商業レーベルごとにオメガバースの基本設定を定めている。
オヤジ受け
中年男性が受けのポジションになる作品のこと。単なる年の差ではなく「オヤジ」という属性がつくことでより、哀愁を漂わせた受けが年下攻めにタジタジにされる姿に萌えることができる。
か行
解釈一致
作品の解釈が一致していることを指すオタク用語だが、BL界においては”カップリングの受け攻めをどちらにするかの解釈”が一致していることを指す。対義語は「解釈違い」
解釈違い
BL界においてはカップリングの左右表記(ABなのかBAなのか)は非常に重要であるため、解釈違いを起こすと食当たりを起こし酷い場合には数日寝込む。
掛け算
BLカップルを表すときにどちらが攻めか受けかが分かりやすいよう「攻め×受け」の順で掛け算表記する。
うっかり逆に書いてしまうと戦争が起こることもある。近年は掛け算の記号を省略し、ABのように表記することもある。
カップリング
BLカップルを表す総称。推してるカップリング=推しカプ、などのようにして使う。掛け算と合わせて使用する。
ケーキバース
男女の性以外に特殊な性別が存在する○○バースと呼ばれる設定の一種。ケーキとフォークと呼ばれる性があり、フォークは味覚障害で、ケーキの体液以外に味を感じることができない。ケーキを食べたいという衝動を必死に抑えるフォークや、死の危険と隣り合わせてでも愛を育むケーキ、といったハラハラしたお話が楽しめる。
公式が最大手
主に二次創作において、公式の出す展開があまりにもエモく、推しカプのためにあつらえたような話であると賛美するときに使う。「大手」とはコミケにおいて多くのファンを抱えたサークルのことで、これに例えて表現した言葉。
コマンド
Dom/Subユニバースという○○バースものの物語において、Dom(ドム)がSub(サブ)に対して使う命令語のこと。
転ぶ
好きなカップリングや作品が変わること。そういうこともある。
さ行
誘い受け
自覚・無自覚いずれの場合でも、攻めを誘うような仕草を見せがちな受けのことを指す言葉。受けがより積極的になると「襲い受け」と呼称がかわる。
Sub(サブ)
Dom/Subユニバースという○○バースものの中で、「支配される」ことに快感を覚えるSubmissiveという性質の略称。SubはDomからの支配により精神が安定する。支配といっても苦痛を伴うものである必要はなく、とにかくどっぷり甘える、庇護されるという感覚に近い。
Subスペース
SubがDomのコマンドを受けて欲求を満たし、多幸感に溢れた状態になること。
Subドロップ
SubがDomからの望まないコマンドや威圧を受けて不安定な状態になること。最悪の場合死に至る。
左右固定
攻め(左)と受け(右)のキャラクターを固定し、当該キャラクターにおいて左右の逆転は受け入れないという棲み分けの呪文。当該キャラの他のキャラとのカップリングをも禁忌とする場合は(左右固定過激派)という強力呪文に変わる。
サンド
3人で構成されるカップリングにおいて、攻め2受け1で受けが間に挟まれる状態のこと。攻めが受けを取り合い、受けが板挟みで困るという構図であれば肉体関係の有無は問わない。とはいえ、最終的には3Pになることが多いと思う。
棲み分け
カップリング論争や好みの展開論争など、要らぬ争いを避けるために生み出された自衛方法。「其方は森で、私はタタラバで」の精神。
攻め
BLカップリングにおいてセックスの際挿入する側になるポジションのキャラの総称。人懐っこく従順なワンコ攻め、若さで圧倒の年下攻めなどたくさんの種類がある。
総受け(総攻め)
特定のキャラクターがその他キャラに対していかなる状況においても「受け」もしくは「攻め」になる状態のこと。総受けであることを指す別名として「○○(キャラ名)愛され」がある。
た行
黄昏の腐女子
好みのジャンルで棲み分けを行う際に、腐女子が自称する4分類の1つ。受けと攻めの幸福度が高ければ、鬱展開やメリーバッドエンドも許容する。その他属性として、光の腐女子、夜明けの腐女子、闇の腐女子がいる。
タチ
攻めの別称。攻めの反対は受けだが、タチの反対はネコを使うことが多い。後ろの穴が溶接されたタイプのタチを「バリタチ」と呼ぶ。
中華BL
古代中国を舞台にしたBL作品のこと。異世界ファンタジー要素の強いものが多い。
ツンデレ
厳密にはBL用語ではなくキャラクターの属性を示す言葉だが、BL界ではツンデレ受け、ツンデレ攻めといったジャンルが存在する。どちらもとても美味しい。
童貞処女
BLキャラにおいて、前も後ろも未経験であることを表す。前より先に後ろでの良さを知ってしまい、戸惑う…という展開に萌えたりする。
Dom(ドム)
Dom/Subユニバースの中で、「支配する」ことに快感を覚えるDominantという性質の略称。Subに対し「コマンド」を使い命令を下し、Subがこれに従うことで精神的な安定を得る。あらかじめ決めておいた「セーフワード」をSubが発動すると、それ以上命令を出し続けることができなくなる。
な行
ナマモノ(nnmn)
現実世界に存在するタレント、俳優同士がBL関係であるように妄想、創作するジャンルのこと。非常にデリケートな分野のため、隠語的にアルファベットの頭文字をとって「nnmn」と表記することもある。ご本人達はもちろん、nnmn妄想をしないファンの目にも触れないよう、活動者たちは最新の注意を払っている。
女体化BL
カップルのどちらか(主に受け)の体が女性化してしまうBLジャンルのこと。一見してTL(NL)=男女のカップルのように見えるが、実はBLという、拗らせ性癖の煮凝り(褒めている)。
女体での快楽に溺れていく男性向けの女体化ジャンルもあるが、腐女子向けの多くは「やはり相手は女性の方がいいのでは」「自分がこのまま女性であれば」というBLならではの心の葛藤に重きを置かれることが多い。
抜き差し(挿し)
身動きが取れないさまを表す「抜き差しならない」という慣用句があるが、これを「抜き挿し」と変換してしまい爆死する腐女子がいるとかいないとか。特に文字書きをする腐女子は気をつけたい。
ネコ
受けの別称。攻めをタチと表記する場合、受けに対してはネコと表記することが多い。タチネコ用語を知らないノンケから犬派か猫派かと問われ「犬派だけどネコだよ♪」と、言葉遊びで返す受けちゃんからしか得られない栄養素があるらしい。
ノンケ
BLストーリーにおける異性愛者の総称。BLだからといって必ずしも双方がゲイであるということはなく、むしろノンケ同士やカップルのどちらかがノンケであることにより生まれる葛藤が、ストーリーに彩りを添えるのである。
は行
バームクーヘンエンド
かつての恋人や現在進行形の想い人が結婚し、招待された結婚式の引き出物のバームクーヘンを涙ながらに食べる…という状況をBL展開に当てはめたバッドエンドのこと。ただし、このエンドをきっかけに、新しい幸せな出会いにつなげたりという展開もあるため、一概にバッドエンドとも言えない複雑な性癖の煮凝り。
薔薇の花
BLの暗喩表現に使われる花。漫画やイラストで男性同士の絵に薔薇の花が散らされていたらそういうことだったりする(違う場合ももちろんある)。女性同士の場合は百合である。
半ナマ(hnnm)
半生とも書く。ナマモノジャンルの一種で、現実のタレント、俳優の”演じるキャラクター”でBL妄想をする。ナマモノのご本人と架空のキャラクターの半々状態なので半生。半分と言えどご本人を想起させることもあるため、取り扱いには注意が必要。
韓流BL
韓国BLともいう。韓国を舞台にした時代物、現代物のwebtoon漫画が人気。中華BLと並んで画力が高くストーリーも面白い作品が多い。
BL
ボーイズラブ(Boys Love)の略。その昔は「やおい」と呼んでいた、男性同士の恋愛を描いた作品のこと。
光の腐女子
ハッピーエンドを愛してやまない腐女子の自称。途中まで鬱展開でも耐えられる「夜明けの腐女子」とは異なり、とにかく受けと攻めがずっと相思相愛でハッピーであることを望んでしまう心優しい腐女子である。鬱エンドを許容する黄昏の腐女子や鬱エンドこそ御馳走と思う闇の腐女子とは解釈違いを起こしやすいため、生息地が異なる。
腐(ふ)
「BLを愛する」の意味で使われる。腐妄想(BL妄想)、腐ウケ(BL好きにウケる展開)、腐要素あり(BLを想起させる展開を含みます)など、主に様々な言葉の頭につけてその意味をなす。
腐女子
BLを愛する女性たちの総称。貴腐人(きふじん)、汚超腐人(おちょうふじん)などの別名がある。
腐男子
BLを愛する男性たちの総称。近年女性ばかりでなくBL好きを公言する男性も増えてきた。彼らはあくまでもBLというジャンルを愛好しているのであって、=ゲイではないことは注意したい。
β(ベータ)
オメガバースという設定の世界において、男女共に最も人口の多い性別のこと。Ωの発情フェロモンを感知できるという設定もあれば、全くわからないという設定もある。攻めになっても受けになっても、αとΩで生じる番(つがい)関係は生まれないため、そこが物語のキモになる。
変になる
訳がわからなくなるまでトロかされた受けが攻めに向かって息も絶え絶えにいう時、読者も攻めも「なればいい」と心が一つになる。
ま行
メスお兄さん
男性らしい見た目に反して受け側のキャラクターのこと。受けとしての開発が進んでおり、積極的にリードしてくれる展開が多くみられる。
メリバ
メリーバッドエンドの略。読み手の受け取り方によって、ハッピーエンドにもバッドエンドにもとれるような終わり方になる展開を指す。
モブレ
作品の主要キャラクターではない「モブ」による主要キャラのレ○プ描写がある作品やシチュエーションのこと。その後の展開がハッピーエンドでも、好き嫌いの分かれる要素であるためなるべくそういった要素があると読者に伝えた方がよいとされている。(ここは、作者の考え次第です)
や行
やおい
BLの展開を自虐的に表した、「やまなし、おちなし、いみなし」の頭文字をとったBLの古代語。801とも表記する。BLと完全に同義というわけではなく、当時「やおい」として描かれていた作品には現在のBLにはない独特の雰囲気がある。明確な差異の定義はないが、内に秘めたるパッションの違いだろうか。そのため、あえて作者が自作を「やおい」と表記する場合がある。
闇の腐女子
お互いを愛するが故に落ちるところまで落ちていくカップリングが三度の飯より好物な腐女子の自称。より闇深くなると、歪んだ一方通行の愛や、異常愛も美味しくいただけるようになる。自身の闇深さを自覚しているため、普段は「鬱展開でも大丈夫ダヨー」と、黄昏の腐女子に擬態する世渡り上手もいる。
夜明けの腐女子
途中の鬱展開は許容するが、最終的に推しカプはハッピーエンドに落ち着いて欲しいと願ってやまない腐女子の自称。愛があればメリバも許容する黄昏の腐女子とは、趣味嗜好の途中経過が似ているものの許容できるエンディングが異なるので注意したい。
ら行
リーマン
サラリーマンの略。バリキャリエリートから冴えない社畜まで、スーツを着るだけで色気が増すのがBLの世界である。
ローション
BL界の必須アイテム。かつては使用せずともすんなり/無理やり突っ込まれていた受けのお尻だが、時代とともに変化をみせている。これを用意せず致そうとする輩は天誅である。受けのお尻を守ろう。
ローションガーゼ
ガーゼローションともいう。ローションに浸したガーゼで遊ぶとすごいことが起きるらしい。
わ行
ワンコ
「犬のような」という意味の言葉。犬のように人懐っこく、従順で一生懸命な人物を指していう。ワンコ攻め=犬のように人懐っこくて従順な攻め。大体ワンコ属性つく攻めは、従順なようでベッドの中では獣である。
英字のBL用語
DT
童貞の意味。キャラの属性を表す時に直接表現が憚れる場で用いられたりする。
JUNE
「ジュネ」と読む1978創刊のBLを扱う漫画雑誌の名称。雑誌名=BLを表す言葉として用いられていた時代もあった。
NTR
「寝取り/られ」の意味。カップルのいずれかが当て馬やモブにより性的に略奪されることを指す。そういったシチュエーションプレイを楽しんでいるカップルの場合もあるが、光の腐女子とは非常に相性がわるい舞台装置と言える。
数字のBL用語
801
やおいの意味。やおいは「や行」の項目を参照。
このBL用語ってなに?よくある質問を調査しました!
4文字のBL用語って?
rose
ネットの海には、BLについて深く知っていないとその本当の意味に気づけないがゆえに、パスワードなどに設定されている言葉がいくつかあります。その中でも「rose」は比較的分かり易い4文字のパスワードとされています。
roseはそのままの通り「薔薇」を指す英単語ですが、男性同士の恋愛関係を暗喩する言葉でもあります(用語集は行「薔薇の花」参照)。
ゲイ向け雑誌「薔薇族」が由来となり、「薔薇」がBLの代名詞になったという歴史があるようですね。
「国歌」ってなに?
BL関連の用語を調べていると、「国歌」という言葉にでくわしたことはありませんか?
BL界でいうところの「国歌」とは、アニメにもなった有名作品「ヤリチン☆ビッチ部」の主題歌である「Touch You」のことを指します。
「ヤリチン☆ビッチ部」は、おげれつたなか先生がイラスト投稿サイトpixivで不定期連載されている漫画で、2016年に幻冬舎から単行本化もされている大人気BL作品。
そのセンセーショナルなタイトルに恥じない倫理観の欠如した男子高校生たちのはちゃめちゃ性春ストーリーが目を引きますが、複雑な恋愛模様を青春群像劇と掛け合わせた「読ませる漫画」としても非常にクオリティの高い作品となっています。
アニメ化にともない制作された、登場人物それぞれの歌唱パートがあるキャラソン主題歌「Touch You」は、そのタイトルがそのまま「勃っちゃう」に聞こえたり、「輪姦はやだー!」と主人公の有名なセリフが歌詞につかわれていたりとさすが「ヤリ部」という仕上がり。それでいて、「好きなことやりたい」と「好きな子とヤりたい」という登場人物それぞれが抱える本音がダブルミーニング的に差し込まれるなど、BがLする作品の主題歌としては100点満点の仕上がりになっています。
キャラソンゆえ、複雑な音域移動がなく歌いやすさも抜群。
そういった事情から、BL界の「国歌」と言われているのかもしれませんね。
BL用語いくつ知ってた?
皆さんは紹介した用語、どのくらいご存知でしたか?
初めてBLに触れる方々が「???」と思った時のサポートになっていれば嬉しく思います!